自殺はなぜTVで取り上げられないのか?
日々私たちの周りには膨大な量の情報に溢れています。
TVをつけてみると様々な分野の情報を浴びることができ、インターネットを使えばさらに多くの情報に触れることが出来るようになりました。
TVでNEWSを見ると様々な事(芸能人のゴシップ、政治、殺人事件、等々)を報道していますが、自殺のNEWSは極端に少ないなと思ったことはないでしょうか?(センセーショナルなのはたまに報道されるが)
数が少ないんじゃないのか?ということも考えてみましたがそうでもありませんでした。
このデータは厚生労働省の自殺統計のデータです。
この統計を見る限り少ないとは言えませんよね。
因みに一年間でなくなる交通事故者数も載せておきます。
平成25年中の交通事故死者数 - 一般財団法人 全日本交通安全協会
年間4000人もの方がなくなっておりますが、自殺死亡者数は2万人以上いるとされることがこのデータからわかりますが決して少なくはありません。
ですがTVでは取り上げられない、なぜなのか?
調べて見たところ、これにはウェルテル効果というのがあるみたいです。
ウェルテル効果とはマスメディアの報道に影響されて自殺が増える事象を指したもので。
これを実証した社会学者のフィリップスさんは「特に若年層は影響を受けやすい」とのことです。
このように映像は何らかの影響を与えることは科学的あるいは私たちの歴史が証明していると思います。
アメリカがイラクと戦争をしている時に、イラク人のテロ容疑者、などを収容していたアブグレイブ収容所では拷問などが行われていたそうで、アメリカ軍は兵士たちを拷問に駆り立てた要因の1つにイラク在住の兵士たちに大人気であったTVドラマの「24」を上げた。この中で主人公がテロリストを暴力で尋問するという描写がありそれの影響を受けてこのような事になったのだというようなことがありましたが、まさにこれもウェルテル効果が働いています。
このウェルテル効果は正しく言うと自分の中にある感情を駆り立てる可能性があるということではないだろうか?
一流スポーツ選手のドキュメンタリー映像を見た人はみんなその人みたいな努力をするだろうか?
アンパンマンを見た子供はアンパンマンみたいに他人にやさしくなるのだろうか?
それは人によって違うと思います。ただその人の中にそのような心理的傾向があったからにすぎないだけであり、映像を通じてウェルテル効果が働いたに過ぎないのではないだろうか?
影響されるものを例え規制などしてもそれは短期的には効果があるかもしれないが長期的には効果はなくモグラたたきのようなものです。そんなことより心理的傾向を変えることの方が得策ではないでしょうか?
この記事を見ている方で心理的傾向を変えたいと思っている人がいましたら、過去記事でそのことについて書いていますのでよかったらどうぞ。